戸籍・住民票の窓 ー 行政の手続き解体新書
相続で戸籍謄本とかを提出してって言われたんだけど、どうして?
戸籍って何が書いてあるの?
大切な人が亡くなって狼狽しているところへ、煩雑な相続手続き…
なるべくスムーズに進めたいものですよね。
ムダに戸籍を取ってしまったり、足りなくて何回も役所に行くハメになったり、とっても大変な思いを経験した…
ということもあるかと思います。
あなたはどうですか?
今回が初めての相続手続きでしょうか?
それとも2回目でスムーズにしたいと考えていますか?
戸籍をなぜ提出するか、そこに何が書いてあるのかを理解していると、戸籍の取り方がスマートになっていきます。
今回は基本編。
戸籍がどんなものかを見ていきましょう!
-この記事を書いた人-
・戸籍、住民票の事務を6年経験。
・転職経験あり。行政は3ヶ所経験。
・行政書士事務所開業に向け準備中。
・猫とコーヒーが好き。
戸籍は、人の出生から死亡に至るまでの親族関係を登録公証するもので、日本国民について編成され、日本国籍をも公証する唯一の制度です。 ― 法務省HPより
つまり戸籍を見ると親子関係などの血縁関係や、国籍が日本国籍であることがわかるよ!
「現在の戸籍は夫婦単位でその方の身分事項が書いてあります。」
身分事項は例えば以下のものになります。
・出生
生年月日や出生の場所、だれが届け出をしてくれたかなど。
・婚姻
婚姻日、配偶者の氏名、従前(1つ前の)戸籍など
・離婚
離婚日、配偶者の氏名
・死亡
死亡日、死亡時分、届出した日など
その他、縁組、離縁、入籍、認知などなど色んな項目があります。
戸籍は昔、家単位で作られていましたが、現在の戸籍は夫婦単位でできています。
「夫、妻、未婚の子ども」で1単位。
子どもが結婚したら、新たに「夫、妻」で新たな戸籍ができます。
その夫婦に子どもができれば、同じ戸籍に子どもの記載が追加され、また「夫、妻、未婚の子」という戸籍になります。
少しだけ例を挙げさせていただきます。
あくまで1例でしかありませんが、参考にしてください。
よく相続で戸籍は必要になります。
相続は基本的に亡くなられた方の配偶者、子ども、兄弟の順で相続権が回ってきますが、戸籍を見て血縁関係を調べるのです。
また、相続する子どもや兄弟が本当にこの人たちだけか、というのも調べられます。
パスポートを申請する際も戸籍謄本か抄本の提出が求められるかと思います。
これは今現在その人の国籍が日本国籍なのか、というのを調べるためです。
ちなみに外国籍の人は日本人と結婚しても戸籍ができません。帰化すれば日本国籍を取得し、戸籍ができます。
婚姻届や離婚届、転籍届など、役所に提出する届出についても戸籍謄本の提出が必要になる場合があります。
必要な理由は様々ですが、婚姻届を例にとってみると、本籍地以外の役所に届出る場合に必要になります。これは、市区町村ごとに戸籍を管理しているため、本籍地以外の役所では戸籍が確認できないためです。
役所の人は、届出の内容が正しいかどうかをこの戸籍謄本を使って確認します。
免許の種類にもよりますが、氏名が変わったことや本籍が変わったことが戸籍謄本に載るので、それを元に免許の内容を変更します。
あなたは戸籍の申請書を役所で見たことがありますか?
相続手続きでたくさん戸籍を取っていたり、役所の職員でない限りあまりまじまじとは見ませんよね?
実は戸籍の申請書には、「戸籍全部事項証明書」であったり、「除籍謄本」だったり色々な欄があります。
それぞれどんなものか見てみましょう!
現在の状態を表す戸籍で、いわゆる戸籍謄本・抄本と言われるものです。
全部事項証明書(謄本)が戸籍の中の全員を載せるもの。
個人事項証明書(抄本)は戸籍の中の特定の人のみを載せるものです。
昔の法律では戸籍謄本・抄本と言われていたので、名残りでそう呼ばれています。
戸籍の中の全員が婚姻や死亡などの理由で除籍した場合、それは戸籍ではなく除籍と呼ばれます。
こちらも昔そう呼ばれていたので除籍謄本・抄本と呼ばれることがあります。
法改正され戸籍が作り直される場合があります。
この改正されて作り直される前の戸籍を改正原戸籍と呼びます。
例えば平成になってから戸籍がコンピュータ化されましたが、コンピュータ化される直前の、紙に書かれた戸籍を改製原戸籍と呼びます。
また昭和にも家督制度だった頃から、現在の夫婦単位の戸籍に変わったタイミングがありますが、こちらも同様に変わる直前の家督制度のものを改製原戸籍と呼びます。
よく、平成の改製原戸籍とか、昭和の改製原戸籍などと呼ばれます。
あれ、さっきでませんでしたか?と聞かれるかもしれませんね。
コンピュータ化される前の紙の戸籍の時代でも、全員が除籍になった場合は除籍謄本になっていました。
除籍謄本になると、たとえ法改正があったとしても作り変えられることはないので、除籍謄本のままです。
よく相続手続きで、「亡くなられた人の出生から死亡までの戸籍謄本を提出してください。」と言われることがあります。
これはどの種類の戸籍に該当するかわかりますか?
上で紹介した色々な種類の戸籍の組み合わせになるのです。
例えば
生まれた時点の戸籍が除籍謄本。
戸主が変わったところが昭和の改製原戸籍謄本。
婚姻後は平成の改製原戸籍謄本。
その後コンピュータ化して戸籍全部事項証明書。
といった具合です。
この一連のもの全てで生まれてから死亡までを証明するものとなります。
1セット4,5通になることが多いですね。
これがあることで今現在誰が配偶者か、子どもは何人いるか、兄弟姉妹が何人いるのかなど相続に関する事柄がわかります。